教えて、幹弥先生!

歯科矯正は美容整形ですか?黒子除去は整形ですか?脱毛は?逆さまつ毛手術は?フォトフェイシャルM22IPL(インテンシブパルスライト)は? 高須クリニック高須幹弥が動画で解説

歯科矯正は美容整形ですか?黒子除去は整形ですか?脱毛は?逆さまつ毛手術は?フォトフェイシャルM22IPL(インテンシブパルスライト)は?
どこからが整形とか、どこまでが整形とかあるんですか?
患者様からの質問に高須幹弥がお答えします。

公開日:2016・06・16出演:高須幹弥医師

20代女性・ブログ読者様より、以下のご質問をいただきました。

「幹弥先生、こんにちは。いつもブログやYouTubeで勉強させていただいています。先日、ネットを見ていたら、私の好きな女優さんが過去に『歯科矯正』をしていたことが話題になっていました。そのことについて、ネット上の掲示板やSNSでは『あの女優は整形済み』『整形女だ』といった書き込みがされていました。そこで先生に質問です。『歯科矯正』は整形に入るのでしょうか?また、世の中にはアートメイクやボトックス、逆さまつげの手術、美白点滴などいろいろありますが、どこからが整形・どこまでが整形という明確な線引きはあるのでしょうか?詳しく教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。」

今日はブログ読者様から、「どこからが整形で、どこまでが整形じゃないのか」というご質問をいただいていますので、これについてお話ししますね。

はじめに:「整形」という言葉の定義について

今回いただいたご質問は、「歯科矯正は整形に入りますか?」「どこからが整形で、どこまでが整形じゃないのか教えてください」という内容ですね。おそらく質問者さんは、好きな女優さんがネットで「整形だ」と蔑むように言われているのを見て、嫌な気持ちになったんでしょうね。「矯正は整形じゃないよ!」と言い返したい気持ちもあるのかもしれません。

まず大前提としてお話しすると、この質問に答えるのは非常に難しいんです。なぜなら、そもそも「整形」や「美容整形」という言葉自体が、世間一般で使われている「造語」だからです。医学的に正しい名称は「美容外科」あるいは「美容皮膚科」です。機能的な欠損や病気を治すのが一般の「形成外科」などで、健康な体に美容目的でメスを入れるのが「美容外科」、レーザーなどで肌をきれいにするのが「美容皮膚科」。これが正式な分類です。

ただ、世の中では「整形」という言葉が一人歩きしていて、明確な定義がありません。でも、どうしても答えてくれと言うのであれば、今回は特別に、僕の独断と偏見で「これは整形」「これは整形じゃない」と決めてしまおうと思います。

歯科矯正は整形なのか?

まず、一番の疑問である「歯科矯正」について。結論から言うと、これは「整形ではない」と僕が決めます。理由はいくつかあります。まず、歯科矯正というのは、歯並びが悪い状態(不正咬合など)を正常な噛み合わせに戻す治療です。基本的には手術をするわけではなく、器具を使って歯を動かすものです。もちろん、健康保険がきかない自費診療になることがほとんどですし、税法上の医療費控除の対象になるかも微妙なライン(美容目的か機能回復かで分かれる)ではありますが、機能的に向上させる側面が強い。世界中で一般的に行われていますし、美容外科医ではなく歯科医が行う確立された学問です。ネットで「矯正したから整形だ」と叩く人がいますが、それはちょっと無理がありますよね。というわけで、歯科矯正は整形ではありません。安心してください。

目の周りの手術(逆さまつげ・眼瞼下垂)の判定

次に、顔の印象を大きく変える目の周りの手術について判定しましょう。

逆さまつげ修正手術:【整形じゃない】

これは「内反症」といって、まつ毛が眼球に向かって生えてしまい、角膜を傷つけたり視力が低下したりする病気です。これを治すのは機能改善であり、治療です。ただし、上まぶたの逆さまつげを手術すると、構造上どうしても二重(ふたえ)になります。結果的に目がパッチリして可愛くなるので、見た目は切開法の二重整形と同じようになりますが、目的が「目を守るため」なので、これは整形ではありません。

眼瞼下垂(がんけんかすい)の手術:【ケースバイケース】

まぶたが下がって目が開きにくい人が、保険診療で機能を回復させるために受けるなら、それは「整形ではありません」。肩こりや頭痛の改善にもなりますからね。しかし、黒目が十分に出ている正常な目の人が、もっと目を大きく見せたいという理由で自費で手術を受けるなら、それは「整形」です。うちのクリニックでも美容目的でやれば70万円以上かかりますが、これは美容外科手術になります。

  • Before

  • After(4ヶ月後)

眼瞼下垂(デカ目整形)

眼瞼下垂(デカ目整形)

片目(通常の手術の場合) ¥385,000(税込)
両目(通常の手術の場合) ¥770,000(税込)
片目(筋膜移植の場合) ¥605,000(税込)
両目(筋膜移植の場合) ¥990,000(税込)

【全院】

皮膚科治療・レーザー・脱毛の判定

肌に行う治療もいろいろありますが、これも僕がバサッと分けます。

脱毛(レーザー・針):【整形じゃない】

もうこれは身だしなみの範疇です。勝手にやってください(笑)。これを整形と言い出したらキリがありません。

フォトフェイシャル・サーマクール・ウルセラ等:【整形(美容皮膚科)】

これらは、光やレーザー、超音波を使って肌を引き締めたり若返らせたりする治療です。メスは使いませんが、明らかに「美容目的」で見た目を変える、美しくする医療行為なので、厳密に言えば「美容整形(美容皮膚科治療)」に入ります。

ほくろ除去:【微妙だけど…整形】

癌の疑いがあるほくろを切除するのは病気の治療ですが、「見た目が悪いから」という理由でレーザーで取るのは、厳密には美容整形です。ただ、最近はアイドルでも「ほくろ取りました」って公言するくらいライトな感覚になっていますよね。これを僕が「整形だ!」と言うと叩かれそうですが、美容目的なら整形です。

あざの治療(太田母斑・血管腫):【整形じゃない】

これは保険適用にもなる治療であり、病的な状態を治すものなので整形ではありません。

注射系治療(ボトックス・ヒアルロン酸・点滴)の判定

ボトックス注射:【目的による】

眉間のシワを取る、エラを小さくして小顔にする。これは完全に「整形(アンチエイジング)」です。ただし、歯ぎしり治療や顎関節症の治療としてエラに打つ場合、あるいは多汗症治療で脇に打つ場合。これは機能改善や悩み解消の治療なので「整形ではありません」。ちなみに、歯ぎしり治療でエラに打っても、結果的に小顔にはなりますが、目的が違うのでセーフとしましょう。

ヒアルロン酸注射:【整形】

鼻を高くする、顎を出す、涙袋を作る。これは明らかに形を変えているので「整形」です。

美白点滴・プラセンタ注射・イオン導入:【整形じゃない】

これらはビタミンやアミノ酸を体に入れる健康増進や肌管理の一環なので、整形とは言わなくていいでしょう。

その他(アートメイク・耳・植毛・傷跡修正)の判定

アートメイク:【整形じゃない】

眉毛やアイラインに色を入れるやつですね。医師が行うべき医療行為ではありますが、実態としてはサロンなどでも広く行われていますし、入れ墨(タトゥー)の一種と考えれば、美容整形というよりはファッションに近い感覚でいいと思います。

傷跡修正手術:【整形じゃない】

怪我や手術の跡を綺麗に治すのは、マイナスをゼロに戻す作業なので整形ではありません。

立ち耳・柔道耳(わき耳)の修正:【整形じゃない】

柔道耳でイヤホンが入らないのを治すとか、立ち耳がコンプレックスだから治すというのは、奇形修正や機能回復に近いので、整形とは呼ばなくていいと思います。

ガミースマイル(笑うと歯茎が出る)の治療:【整形じゃない】

これはボトックスや手術で治せますが、ガミースマイル自体は病気ではありません。ただ、本人のコンプレックスを解消するためのもので、機能的には問題ないことが多い。うーん、迷いますが、広く行われているし「整形じゃない」にしておきましょう。

  • Before

  • After(2ヶ月後)

ガミースマイル手術

ガミースマイル手術

¥385,000(税込)
高須幹弥医師の場合 ¥550,000(税込)

【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】

植毛手術:【整形】

髪がないところに植える。これは見た目を変える手術なので「整形」です。

AGA治療薬(プロペシア等):【整形じゃない】

薬を飲んで髪を生やすのは、内科的な治療に近いので整形ではありません。

鼻骨骨折の整復手術:【整形じゃない】

折れた鼻を元に戻すのは、ただの怪我の治療です。

結論:白黒つけられない「グレーゾーン」との付き合い方

とまあ、ざっと僕の独断で決めさせていただきましたが、いかがでしたか?「適当だな」と思ったかもしれませんが、そもそも定義がないものなので、こんなものです(笑)。

患者さんやネットのユーザーって、物事を何でも「白か黒か」ハッキリさせたがる傾向がありますよね。「このたるみは、皮膚ですか?脂肪ですか?」と聞いてくる患者さんがよくいますが、大抵は両方なんです。「目の下のクマは、色素沈着ですか?脂肪ですか?」というのも、脂肪の影で黒く見えていることもあれば、皮膚が薄いことも関係している。人間を「白人か黒人か黄色人種か」だけで完全に分けられないのと同じで、医療の世界にも、そして美容の世界にも「グレーゾーン」はたくさんあります。

「あの女優は整形だ」「いや、メンテナンスだ」なんて議論も、結局は言葉遊びに過ぎません。切開して二重にしたり、プロテーゼを入れたりするのは誰がどう見ても「整形」ですが、エステのコロコロローラーは「整形じゃない」。その間にあるグレーゾーンについては、人それぞれの解釈でいいし、そこまで目くじらを立てて分類する必要もないんじゃないかな、と思います。今回の僕の判定は、あくまで一つの目安として、「へぇ、幹弥先生はこう思ってるんだ」程度に受け止めてもらえれば幸いです。

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